DH.K

 食事中にお茶を飲みますか?
  2003/5/5

 
茶道は世界に自慢できる日本の文化のひとつです。
茶道にはお茶だけを振舞う「大寄せ」と、食事とお茶をもてなす「茶事」という2つの形式の茶会があります。私は茶道を習っていますが、礼儀作法さらには日本人の食生活、食習慣の原点も茶道に通じているのではないかと思うようになりました。現代っ子に「噛めない・噛まない・飲み込めない」子どもが増えています。なぜそのようになってしまったのでしょうか?その答えがお茶と関係があるように思います。今回は「食事中のお茶」に重点を置き、当院に来院されている患者さんのお母さんを対象にアンケートを行いました。(第37回OSP(大阪小児歯科専門医臨床研究会)研修会発表)子どもに食事中どんなことをしつけとして注意しているか聞いたところ、「好き嫌い」「お米やおかずを交互に食べず、同じおかずばかり食べる“ばっかり食べ”」「テレビなどを見ながら食事する“ながら食べ”」などの食べ方に対するしつけが多く飲み方に対するものは少ないことが分かりました。(図1)

お茶を飲んで食べ物を流し込まないように色々と工夫してくださっていますが(図2)、なんとなく食事中にお茶を出してしまうお母さんが多いことが今回わかりました。
茶道では、食事中にお茶を出すことはありません。日本人の主食であるお米をいっしょに食べることでおかずの味をまろやかにし(口中調味)、口の中で十分に噛み砕き、唾液と混ぜることで食塊を作って飲み込みます。本来の日本の食事は噛めば噛むほど味わいが増し風味がでます。昔は食事中にお茶を飲むことは行儀が悪いとされ、食後にお茶を飲むという食習慣が出来ていったのではないでしょうか。食事中にお茶を飲まないことで、噛む回数が増え、唾液もよく出て、消化を助け、お茶で胃液を薄めることがないので、殺菌効果が高まり、感染も防ぎます。また、顎の発達にもつながります。お茶を飲むことは“一服する”ともいい、薬の服用と同じ表現です。つまり、昔の人々にとってお茶は薬として利用され、疲れた体を癒すものでした。そして、経験的にお茶の効用に気づき、正しい飲み方をしていたのだと思います。ここで、もう一度日本の食文化の原点に戻り、食のマナーを見直すべきではないでしょうか。「食事中にお茶を飲まない」、このことを幼児期から指導することによって、口腔内だけではなく全身の健康管理に繋がっていくことと思います。最後に私自身、今は食事中にお茶を飲まない様にしています。食べ終わってからお茶を用意するようにしました。すると食事中に飲むお茶より、食後に飲むお茶の方がずっとおいしく感じられるようになりました。皆さんも食後のお茶を楽しんでみてくださいね。

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