とくなが

 「子どもたちに完全米飯給食を目指して」
  2009/9/10

 
 「米飯給食」が正式に導入されたのはコメ余りが深刻な問題になっていた昭和51年(1976年)。当時は週0.6回が全国の平均値。昭和60年には平均1.9回になりましたが「日本の伝統的食習慣を教えるため」として「週3回」が目標値とされました。
 平成19年(2007年)、高知県で週4回をトップに、農産物の産地を中心に週3.1回以上の府県が26に及び、ついに目標週3回をクリア。
 昨年12月、文部科学省は学校給食にご飯を出す目標値を「週4回」に増やしました。23年ぶりの見直しです。

 近ごろの私たちの食生活は、栄養バランスの偏り、食習慣の乱れにより、生活習慣病の増加など、様々な問題が生じています。環境の変化の影響を一番早く受けるのが子どもたちです。次代を担う子どもたちが正しい食習慣や食生活の知識などを小さい頃から、きちんと学ぶ「食育」が大切です。栄養バランスのとれた米飯給食はこうした食育の場として大きな役割を果たすとともに、子どもたちの心やからだ、学力にもよい影響をもたらせてくれます。また食料自給率向上の一助にもなります。

 そこで、“子どもたちにもっとごはんを食べさせたい” そんな願いをこめて、学校給食を週5回、完全米飯給食の実施に向けて、協力していくことを提案したいと思い、今回、特集「子どもたちに完全米飯給食を目指して」を企画しました。そこで、その分野でご活躍の専門の先生方に最新の情報を寄稿していただきました。


1.学校給食の歴史と現状
  (幕内秀夫先生:フード&ヘルス研究所代表)
 学校給食は戦後、主食をごはんからパンに切り替わり、副食も和食から洋食へと変わってしまいました。その結果、外国産の食料が多く利用され、安心安全な食の提供とは言えなくなりました。日本における学校給食の時代的変遷を執筆していただきました。

2.学校給食と牛乳
  (清水 修先生:学校給食を考える会 元事務長)
 米飯給食に牛乳を必ず出さなくてはいけないのでしょうか。厚生労働省の見解を絡めて、その問題を解説していただきました。

3.子どもの健康と食生活
  (鈴木公子先生:ひまわり歯科医院院長)
 噛まない・噛めない・飲み込めない子が増えています。現代っ子の食生活に何が起こっているのでしょう。歯科医師の立場から現代の学校給食に求められるものを提案していただきました。

4.食で変わる心とからだ〜やれば出来る非行ゼロ・学力向上 米飯給食で〜
  (大塚 貢先生:長野県上田市元教育長)
 荒れた子どもたちを救いたい!1997年、長野県上田市(旧真田市)の教育長に就任し、学校内の改革に取り組み、特に学校給食を「ごはん」と「魚」、「野菜」中心の食事に改善するよう努力。その結果、子どもたちが変わった。非行ゼロ・不登校の激減したという。今回はごはんで子どもたちのこころとからだを変えた苦労話などをご紹介していただきました。

5.食育と米飯給食と農業
  (田村 直先生:三条市福祉保健部健康づくり課食育推進室)
 「地産地消の精神」から、農業の活性を図りながら、小中学生に完全米飯給食を実行している新潟県三条市の学校給食をご紹介していただきました。

6.食料自給率の向上と食料の安定供給に向けて
  (中尾卓嗣先生:同志社大学大学院総合政策科学研究科M2)
 将来を担う子どもたちを守るために「地産地消の精神」で、もう一度昔の日本の食の原点に立ち戻り、地元産の米や農産物を利用した学校給食を実施させ、日本の子どもたちとともに農業・漁業をも元気にし、日本の食糧自給率をもアップさせるにはどうしたらいいかを探っていただきました。

 今回も、大変お忙しい中、6人の先生に執筆していただきました。紙面をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。(J.T)

「月刊 小児歯科臨床」(H21年9月号)特集企画 寄稿

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